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2016年08月25日

新型NSX登場で見直される「横置き」、世界最高のハンドリングマシンは横置きだった





新型NSXが国内価格も発表され話題となっております。


2代目「NSX」は国産車最高額の2370万円 ホンダ、10年ぶりに復活
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160825-00000513-san-bus_all

ACURA NSX 縦置きエンジン


ジャーナリストの文章を見ていると「縦置きで純粋なスポーツカー」とか

「初代のようにトランクのために横置きではない」とか言われてますが

実際に「横置きエンジン」はそこまで駄目なんでしょうか?

確かに、F1やスーパースポーツと呼ばれる類の車はすべて縦置き

NSXはバブル期に「トランクにゴルフバッグを載せるため」横置きになったと言われています。


が、実はこの横置きにも意味があるのをご存知でしょうか?

更には「世界最高のハンドリングマシンは横置き」という現実があります。


NSXはコンセプトが「ピュアスポーツ」でも「スーパーカー」でもない!?


もともとNSXの開発にはさまざまな意見がありました。

コレに関してはWikipediaなど多くのサイトで確認が出来ます。


ホンダ・NSX -Wikipedia-
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBNSX


多くの意見があり、紆余曲折があり、出来上がったNSXですから

後から「こういう話があったんだ」というのを出すとこうなるのでしょう。

知られているものとして

・和製フェラーリともいえるスーパーカーを作る
・ゴルフバッグが入るようにトランクを作る
・当初はSOHC、リッター100馬力を目指せとDOHC化
・誰にでも扱いやすい車を目指す
・マクラーレンF1やその後の車に大きな影響を与えた



ホンダ NSX 横置きエンジン


です。そして、ポイントとなるのが最後2つ。

そもそもNSXは高い動力性能と共に、扱いやすさを重視しました。

そのため明らかに重量増になる大きなフロントガラスが設置されたり

ABSやTCSなど、より安全にスポーツできる機能も搭載されました。

更には「快適さ」も求められフルオートエアコンやBOSEオーディオも搭載。


大きなドアスピーカー
http://minkara.carview.co.jp/userid/1440535/car/1053517/1810413/note.aspx

超大きなフットバススピーカー
http://www.watacchi.com/nsx/nsx_customize_26.html


ちなみに、センターユニットは通常のオーディオが入らないほど狭く

そんな中でこの大きなスピーカーを設置することの意味がわかると思います。

更に快適さを求め、MTモデルにも「クルーズコントロール」があります。


NSX MT クルーズコントロール付
http://www.carsensorlab.net/car/HOS0423311237CU390467183500.html


圧倒的なコーナリング性能であったり、量産車で世界初のアルミボディだったり

日本車では稀なミッドシップだったり…これぞピュアスポーツ!って感じですが

実際には「快適で、誰でも楽しめるスポーツカー」を求めた結果なんですよね。


アルミボディを採用したスーパースポーツ、ピュアスポーツ!!というのは

あくまで外部がつけたイメージであり、ホンダの開発コンセプトとは異なります。


その中にトランクがあり、そのために横置きがあったと考えると

「ピュアスポーツのくせに妥協して横置き」というのはそもそも間違いといえます。

そしてもう一つ、横置きにはメリットがありそのメリットを生かした結果

「世界最高のハンドリングマシン」となった車と合わせてその原理を説明します。



ロータスはずっと横置き、V6モデルもやっぱり横置き。でもハンドリング最高


ロータスエリーゼ/エキシージ 横置きエンジン


サブタイトルですべてを語ってしまいましたが…

圧倒的なコーナリング性能と、そのハンドリングの良さで

ロータスを復活させたエリーゼ/エキシージも横置きです。

コチラに関しても「他社提供のもので作る」ということもあり

当初はローバー、その後トヨタのエンジンなどを搭載しております。

ただ、単純に搭載するのではなく徹底的に「ロータスチューン」しておりますが。


当初は直列4気筒モデルだけでしたが、現在の主流はV型6気筒

しかしながら今なお横置きエンジンを採用しております。

一説にはロータスが新しいシャーシを作れないということですが

その"会社の都合"で横置きにされたモデルも世界中で高評価を得ております。


ロータスエリーゼ/エキシージ V6横置きエンジンルーム


一般的に「駄目だ」といわれる横置きエンジンという方式で

なぜ世界的に評価され「世界一」とも言われるハンドリングを実現するのか?

実はここに2つの秘密が隠されています。

NSXもロータスも、なんならMR2も横置きミッドシップしたことで

後も語られるほどのハンドリングとコーナリングを実現しており

実はこの原理はFRをはじめ、今の車作りの基本でもあるわけです。

ではその2つの理由を見てみたいと思います。


ショートホイールベース&重量物が真ん中に集まるという利点


またタイトルで終了です、もう文章読まなくて結構です笑

そう、横置きのメリットはそもそも長さのあるエンジン、

さらにそこにくっつくミッションで「間延び」して

ホイールベースが長くなるのを抑えることが可能です。


一般的な原理としてショートホイールベースはコーナリングに優れており、

ロングホイールベースは高速安定性に優れているといわれます。

わかりやすい説明があるのでご紹介しますね。


エンジンレイアウトと回答性 −教えてgoo−
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7934886.html


NSXやロータスは比較的ショートホイールベースとなっており

その一つの理由としてエンジンが横置きとなっていることがあります。

4気筒や6気筒、さらにその端にミッションが搭載されますので

縦置きにするとどうしても長くなってしまうんですよね。


ロータスエリーゼ/エキシージ 2ZZ−GEトヨタ横置き
※ロータスにも搭載されたトヨタの2ZZ-GEエンジン


横置きにすることでコンパクトにまとめてしまい

その分、ホイールベースを短くすることが可能です。


次に重要なのが、重量物を真ん中に集めるということ。

極端な例ですが、エンジンを縦置きにしてショートホイールベースにすると

ミッションなど重量物がタイヤより前後に出っ張ります。

ここがオーバーハングと呼ばれる部分です。

空理気に影響する一方、重い物を設置すると車の挙動にも影響し、

一般的にオーバーハング部分に重い物を設置すると車の挙動が悪くなります。


身近なところで、自転車を想像してください。

前後のカゴに荷物を入れて走るとフラフラしますよね?

それを、少し重くなってもリュックに入れて背負うとどうでしょうか

前後のカゴに入れるよりはずっと安定して走ると思います。

要するに重量物はタイヤより真ん中よりにあったほうが安定します。


前後に間延びすると「コーナリング性能」に影響するのと同様に

横に広がってもやはりコーナリング時の安定性に影響するので

「横置きがすばらしい」わけではありません。

また、エンジンはその内部で爆発しており、その振動が出ることから

おき方でコーナリング中の挙動に影響を及ぼすとも言われております。

更に横置きとすることで、右か左、どちらかにミッションが搭載されると共に

市販車の多くはどちらかに向いてスロットルボディなどが搭載されます。

横置きにより左右のバランスを崩すというのも事実です。


なお、NSXに関しては日本のモデルを前提としており

右側にドライバー、左側にミッションというレイアウトが取られています。


この重量物を真ん中に集めるという原理は昨今多くの車で採用されています。

フロントミッドシップなんていう言葉を聞くことがあると思いますが

要するにエンジンが前に搭載されている一方、タイヤよりも真ん中に寄っている

それがフロントミッドシップなんですね。


では、そもそもどのレイアウトが正しく、速さを追求できるのでしょうか?



FR、4WD、MR…どれも速く、縦置き・横置きよりも総合力の問題


最後に、横置きがいいのか?縦置きがいいのか?

先ほど出てきたフロントミッドシップがいいのか?という話です。


一番わかりやすいので、メーカーが「聖地」とあがめてテストをする

ニュルブルクリンクのタイムを見てましょう。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF


現状の1位はパガーニ・ゾンダR (MR)です。

二位はラディカル SR8LM(MR)です。

更に、タイムがありませんがF1をはじめとするフォーミュラーがありますので

「走ることだけ」を考えるとやはりミッドシップ

なおかつ縦置きが正しいレイアウトであるといえるのではないでしょうか。

ただ、その下を見ていきますと少し様子が変わってきます。


6位:日産GT−R NISMO Nアタック・パッケージ (Fエンジン・AWD)
8位:ダッジ・バイパー SRT-10 (FR)
9位:LFA (FR)
10位:ポルシェ911GT2RS (RR)
11位:シボレー・コルベットZR1 (FR)


よく言う市販車最速はそれこそフロントにエンジンを搭載したAWDです。

しかもこのランキングで面白いのがさまざまな条件の車がいる事。


たとえばバイパー、LFA、コルベットはすべてFRです。

MRが正しいといわれる中、FRでもしっかりと世界最速だった時期があるほどです。

そしてバイパーに関しては電子制御系のものを排除したモデルです。

一般的にハイパワーを扱いきるために電子制御機器を搭載するのですが

それに反する形で、機能やサポートを落としたモデルとなります。

逆にあれこれ搭載したのがコルベットにGT−R。

コルベットはアメ車ということでよくバイパーと比較されますが

コンセプトであったり、目指すところは大きく違っており

それでもその二台がニュルのタイム争いをしているのは非常に面白いです。

更にGT−Rはバイパーとは間逆、徹底的に電子制御でパワーを使い果たします。

重量は1.7tを超えるモデルもあるほど重くなっており

それこそバブル期には「重くてどうしようもない」と馬鹿にされた三菱GTO並みです。


記事を書いたのは無知か素人か…GTOの活躍と実力
http://sokonebuy.seesaa.net/article/108616887.html


21世紀に280馬力規制もなくGTOを作ったらGT−Rになるというわけでして…

「スポーツカーは軽くてはならない」という原理が当てはまらない一台です。


そしてもう一台、ポルシェのGT2。

この車は更に特殊で、エンジンはRR、先ほど話になった

リアのオーバーハングに飛び出すほどまえエンジンが後方にあります。

もちろん、それに合わせて他のものをフロントに持っていっていますし

重量物となるガソリンタンクやオイルパンはすべてフロントにあります。

しかしながら「重量物は車両の中心」という原理に反して作られており

先のGT−Rやバイパー、コルベットが出来る限りエンジンを中心に配置したことさえ否定します。


しかし、RR特有のコーナー脱出時のトラクションの良さは圧倒的であり

総合力もあってこの順位となっております。


最後に、じゃあ何がいいのか?といわれたらMRで縦置きがいいのでしょう。

ただしこれは「エンジン」であり、なおかつ限られた条件の車のみです。

たとえば快適性を求めずとも、4人乗りにしたらエンジン以上に人が重くなったり

ガソリンタンクやミッション、エアコンやABSなど多くの装備で車が出来ており

どんなにエンジン・ミッションだけを理想のレイアウトにしても

そこに付随するもので結果は大きく異なるということがわかります。


市販車というくくりにしたとたんに4WDやFR、RRが出てきたのは

ただただMRの縦置きだけが正しいわけではないことを証明しており、

なおかつGT−Rのように「軽くないといけない」とか

ポルシェのように「重量物はタイヤの内側、更に真ん中」という常識を

覆すような車が登場しているというのが現状です。


NSXのコンセプトやGT−Rも同様のコンセプトを持っていますが

「誰もが乗れて、誰もが速く走れる」というのがポイントであると思います。

バイパーのように600馬力を超えてトラクションコントロールもない車を

じゃあ一般の方が気軽に乗れるかといえば難しいでしょうし

世界最速のパガーニを借りてきても、誰でも世界最速になれるわけではありません。


エンジンの縦置き、横置きといった話はそれこそ

「ボディがカーボンだったらもっと軽くていい車が作れるのに」とか

「ミッションはゲトラグのがよかったに」とか

それこそ後付の「要望」に近いものであり、その違いだけで車の評価を決めるものではないでしょう。

ジャーナリストたちは口をそろえて「今度は縦置きだから」といいますが

実際に縦置きになったNSXはニュルでGT−Rのタイムを超えてないといわれます。

理論上、パワーもあって4WDでなおかつ縦置きなら世界最速になりそうなもんですが…

すべては車の総合力であり、一部だけで車を甲乙つけることは難しいということです。


以上、長くなりましたが「縦置き」「横置き」の話でした。


Leblanc-Mirabeau.jpg



posted by ぶろぅかぁ at 14:08 | TrackBack(0) | 新車情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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